普通方式編

民法960条により、遺言は方式に従って意思表示をしなければ効力を生じません。もっとも、民法は遺言者がその事情に応じて遺言制度を利用できるよう、大きく分けて二つの方式を定めています。すなわち、普通方式と特別方式です。普通方式による遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言、そして秘密証書遺言の三つがあります。

この方式については民法967条本文に定められていますが、その条文構造から分かるように、あくまでも普通方式による遺言が原則であって、特別方式による遺言は例外です。死期が差し迫るなどして余裕がない場合に、初めて特別方式による遺言が認められるものです。そのことは、民法983条を見れば分かります。すなわち、同条は特別方式による遺言について、遺言者が普通方式による遺言をすることができるようになった時点から6か月間生存する場合には、効力が発生しないと規定しています。

遺言は、人の最終意思の表示であり、死後に効力を生じるものです。したがって、意思の内容を厳格に確定し、また他者による改変や捏造を防止する必要があります。そのため、普通方式による遺言は要件を厳格に守って作成される必要があり、要件を満たさない遺言は原則として効力を生じません。

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