特別方式編

遺言は方式に従って意思表示をしなければ効力を生じません。そして、その方式は民法上普通方式によることが原則です。遺言においては、遺言者の真意を確保すべく厳格な方式が要求されるからです。

しかし、死期が差し迫っているなどの特別の事情がある場合には、普通方式によって遺言をすることができないこともあります。そうであるのに、普通方式に従っていないからといって遺言を無効とすることは現実に即しません。そこで、民法は普通方式で遺言をすることができない場合に、要件を緩和した方式による遺言について規定しました。これを特別方式による遺言といいます。

特別方式による遺言は大きく分けて二つあります。臨終時遺言と隔絶地遺言です。臨終時遺言は、一般臨終時遺言と難船臨終遺言があります。隔絶地遺言には、一般隔絶地遺言と船舶隔絶地遺言があります。

この4つの特別方式による遺言は、民法976条以下に規定されており、先述のとおり要件が普通方式よりも緩和されています。しかし、特別の定めがある他は普通方式による遺言の規定が準用されています。また、あくまでも例外的な方式ですので、遺言者が普通方式によって遺言をすることが可能になった時点から6か月間生存するときには、特別方式による遺言は無効となります。

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